以前、他社が関係していた案件でひどいものがあった。ある保険会社で自動車保険がついていたんだが、おれの会社でも傷害保険がついていた。契約者は親戚の祝い事に参加した帰りで、どうも飲酒運転をしていたようなんだ。車を運転して帰宅途中、ハンドル操作を誤って堤防道路から河原に転落し死亡したんだ。このケースの場合、自動車保険で自損事故保険金一五〇〇万円と搭乗者傷害保険一〇〇〇万円がついていたので、合計二五〇〇万円が支払いとなるんだ。おれの会社からは傷害保険の死亡保険金二〇〇〇万円が支払われることになる。ただし、飲酒運転で免責にならなければ。この事故でのポイントはただ一つ、約款の免責条項にある「酒に酔って正常な運転ができないおそれがある状態」に該当するかどうかだけなんだ。そこで自動車の保険会社も、おれんとこの保険会社も、まずは契約者遺族に同意書をもらって、救急搬送された病院と警察署で飲酒検知のデータを入手することにしたんだ。